妊娠中や授乳期の母犬・母猫は、体全体にさまざまな変化が起きる時期です。その中で見落としがちなのが歯周病リスクの増加。ホルモンバランスの変化や栄養状態の影響で、普段よりも口腔トラブルが起こりやすくなります。今回は、妊娠・授乳期における歯周病リスクと、安全なケア方法について解説します。
なぜリスクが高まるのか?
- ホルモンの変動:妊娠や授乳中はエストロゲンなどのホルモンが増え、歯茎が敏感になり、炎症を起こしやすくなります。
- 栄養の偏り:母体は胎児や子猫・子犬に栄養を供給するため、自身の免疫力が低下しやすくなります。
- ストレスや疲労:育児ストレスも免疫低下の一因となり、口腔環境が悪化しやすくなります。
症状のチェックポイント
次のような症状が見られたら、早めの対応が必要です。
- 歯茎の赤みや腫れ
- 口臭の悪化
- 歯磨きを嫌がる
- よだれが増える
妊娠・授乳期の安全なケア方法
- 優しく歯磨き:硬い歯ブラシや強い力は避け、柔らかいブラシで軽く磨きます。
- 口腔スプレーやジェル:刺激の少ない自然派の製品を選ぶと安心です。
- 食事でケア:デンタルケアフードや、歯垢を付きにくくするおやつを利用しましょう。
- 定期的な観察:歯茎の状態を日常的にチェックし、異変があれば早めに動物病院へ。
受診の目安
妊娠・授乳中は体調がデリケートな時期です。出血が続く、歯がぐらつく、食欲が落ちるなどの症状があれば、すぐに動物病院を受診しましょう。麻酔が必要な処置はこの時期には控えられることが多いため、早めの相談がカギになります。
まとめ
妊娠・授乳期の母犬・母猫は、ホルモンバランスや体力の変化から歯周病のリスクが高まります。普段以上に優しいケアと観察を心がけ、母体と赤ちゃんたちの健康を守りましょう。気になる症状があれば、早めにかかりつけの動物病院に相談するのが安心です。