ペットの健康管理で見落とされがちなのが、歯周病と全身疾患の関連です。特に注目すべきは、口腔ケアと心臓病予防の深い関係。一見無関係に思えるこの2つですが、近年の研究では、歯周病が心臓病リスクを高めることがわかってきています。今回は、その意外な関係と、飼い主さんができる対策について解説します。
歯周病と心臓病のつながり
- 口腔内の細菌:歯周病の原因菌が血流に侵入し、心臓や血管に炎症を引き起こすリスクがあります。
- 慢性炎症:歯周病は慢性的な炎症を引き起こすため、体全体の免疫バランスを崩し、心臓病の悪化につながることも。
- 小型犬・高齢犬:特に心臓病リスクが高い犬種や高齢ペットは、歯周病の影響を強く受けやすいとされています。
見逃しがちな症状
- 口臭が以前より強くなった
- 歯茎が赤く腫れている
- 食欲が落ちる、硬いものを嫌がる
- 軽い咳や疲れやすさ(心臓病のサイン)
飼い主ができる予防ケア
1. 定期的な口腔ケア
- 歯磨きは週3~4回以上が目安。
- 口腔ケアシートや口腔スプレーも併用しましょう。
2. 定期検診
- 少なくとも年に1~2回の動物病院での健診を。
- 歯科と心臓の両方を診てもらうと安心です。
3. 生活習慣の見直し
- バランスの良い食事と、適度な運動を取り入れる。
- 心臓に負担がかかりやすい犬種は特に注意。
専門家のアドバイス
獣医師の中でも歯科と循環器の両方に詳しい専門医に相談するのもおすすめです。最近では、ペット歯科専門クリニックでも心臓病リスクの説明をしてくれることがあります。
まとめ
口腔ケアと心臓病予防は、思っている以上に密接な関係があります。毎日の小さなケアが、大きな病気を防ぐカギ。愛犬・愛猫の健康を守るために、口腔ケアを「歯だけの問題」と考えず、全身の健康管理の一環として取り組みましょう。