歯周病が原因で起こる眼疾患とその予防策

ペットの歯周病は口腔内だけでなく、全身に影響を及ぼすことが知られています。なかでも見落とされがちなのが、歯周病が引き起こす眼疾患です。歯と目は一見無関係に見えますが、実は顔面の解剖学的なつながりが深く、特に小型犬や短頭種では注意が必要です。今回は、歯周病が原因で起こる眼疾患と、その予防策について詳しく解説します。

歯周病が引き起こす主な眼疾患

  • 眼窩膿瘍(がんかのうよう):上顎の歯周病が進行すると、膿が眼窩(目の周囲)に広がることがあります。
  • 流涙症:炎症が涙腺や涙管に影響し、涙が止まらなくなることも。
  • 眼球突出:短頭種では、重度の歯周病による顔面骨の変形が原因で眼球が飛び出すケースもあります。
  • 視力低下:慢性的な炎症が眼内圧や視神経に悪影響を与えることも。

なぜ歯周病が眼疾患を引き起こすのか?

犬や猫の顔面は、歯と目の距離が近いため、歯周病菌が副鼻腔や眼窩に広がりやすい構造になっています。特に上顎の第4前臼歯(カーネシアル)やその周辺の歯が感染源になることが多いです。

予防策とケア方法

1. 定期的な口腔ケア

  • 週に数回の歯磨きは必須。
  • デンタルシートや口腔スプレーも併用して。

2. 早期発見と治療

  • 涙が増えたり、目が腫れる兆候があればすぐに動物病院へ。
  • 歯周病が見つかった場合は、放置せず治療することが重要です。

3. 定期検診

  • 年に1~2回の歯科検診と、眼科も含めた健診をおすすめ。

特に注意したい犬種・猫種

  • シーズー、ペキニーズ、フレンチブルドッグなどの短頭種
  • チワワ、ポメラニアンなど小型犬
  • ペルシャ、エキゾチックショートヘアなど短頭種の猫

まとめ

歯周病が原因で発生する眼疾患は、早期発見と予防がカギです。毎日の口腔ケアをしっかり行い、目の異常にも注意を払いましょう。愛犬・愛猫が健康で快適な生活を送るために、歯と目のケアをセットで考えることが大切です。

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